人気ブログランキング | 話題のタグを見る

画像は長崎県佐世保市のハウステンボス(2008年3月撮影)。2008年9月、オランダでの資料調査について。


by ak2008nl
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

オランダ語の発音って

オランダは、ヨーロッパの中で最も「外国語としての英語」が通じる国とのこと。観光地や駅はもちろん、普通の住民相手でもかなり英語が通じるらしい(未確認)。
英語がよく通じる国だということは、すでにライデン大学のVisitors' centreへの問い合わせでも(返信の一部にオランダ語が混じっていたのはご愛敬)、宿の予約でも実感したことで、どうやら滞在中はほとんど英語で過ごせそうです。
とは言っても、やはり挨拶ぐらいはオランダ語でしたいし、看板などの表示は基本的にオランダ語。ローマ字読みとは発音が違うことで戸惑うことは多いので、やはり発音の基本も押さえておきたいところです。

というわけで、オランダ語の発音について、特に注意すべきものを挙げておきます。
(表示できない音声記号が多い…)

■母音
◆aa, ae(アー) 【例】kaart(カールト:切符)
◆ee (エー) 【例】zee(ゼー:海)
◆ie [i:](イー) 【例】liefde(リーフデ:愛)
◆oo (オー) 【例】root(ロート:赤)
◆u 閉音節[Y](ウの口でイ。ドイツ語のuウムラウト) 【例】hut(ヒュット)
◆u開音節, uu [y:](ユーに近い) 【例】Utrecht(ユートレヒト/ウトレヒト)
◆oe [u](ウ) 【例】hoed(フト:帽子)
◆eu [φ](ウの口でエ。ウーまたはエー) 【例】Euro(ウーロ)
◆ou, ouw, au, auw (オウに近いアウ) 【例】blauw(ブラウ:青)
◆ei, ey, ij (アイ/エイ) 【例】Leiden(ライデン)、Van Dijk(ファン・ダイク)
◆ui, uy [oey](オの口でエ+ウの口でイ。ドイツ語のoウムラウト+uウムラウト) 【例】huis(ハイス/ホイス:家)

「ei」が「アイ」に近くなるのはドイツ語と一緒で、Leidenの綴りを見てもすっと読めたのですが、他はだいぶドイツ語と違います。
日本では「ハウステンボス」の表記で定着しているHuisも、実際にはハイスとホイスの中間のような発音になるらしい。
発音そのものはドイツ語と共通するものも多いのですが、綴りが違う…。

■子音
◆b [b]/語末では[p] 【例】Jacob(ヤーコプ)
◆ch [x] ドイツ語のchと同じ。カタカナではハ行で転写。 【例】Maastricht(マーストリヒト)
◆sch [sx]/語末では[s] 【例】Scheveningen(スヘフェニンゲン)、Huis ten Bosch(ハイス・テン・ボス)
◆d [d]/語末では[t] 【例】Holland(ホラント)
◆g [x](無声軟口蓋摩擦音), -ng[ng] 【例】Den Haag(デン・ハーフ)、Groningen(フローニンゲン)
◆j [j] ヤ行音。 【例】Johan(ヨハン)
◆sj シャ行音。英語のshのようになる。
◆tj チャ行音。 【例】Nijntje(ナインチェ:ミッフィーのオランダ語名)
◆v [v]英語のvと同じ/語頭では[f] 【例】vrouw(フラウ:女性)
◆w 唇歯接近音。vとwの中間の音。【例】Willem(ヴィレム/ウィレム)
◆x [ks](クス)【例】Beatrix(ベアトリクス)

だいたいは英語やドイツ語と同じ発音なのですが、日本人にとって特に厄介なのが、「g」の発音。ドイツ語のchと同じ、喉の奥で発音するハ行音(軟口蓋摩擦音)で、しかも場合によって無声音だったり有声音だったりするらしい…。有声音の場合はハ行とガ行の中間に聞こえます。ちなみに画家のヴァン・ゴッホvan Goghも、オランダ語の発音に近く表記すれば「ファン・ホッホ」になるらしい。
地名のMiddelburgの表記がミデルブルグだったりミデルブルフだったり、Groningenがグローニンゲンだったりフローニンゲンだったりするのは、英語発音の慣例を残しているのと、この「g」の発音をカタカナで写すのが難しいことが理由でしょう。
ちなみにDen Haag(デン・ハーフ)は、日本では慣例として、英語風の「デン・ハーグ」と表記することになっています。

で、この「g」が厄介だなあと思ったのが、オランダ語の挨拶に頻出するから、なのです。

●はい/いいえ=Ja / Nee, Neen(ヤー/ネー、ネーン)
これは特に問題なし。ドイツ語によく似ています。

●こんにちは=Goedendag(フーデンダハ)
ドイツ語のGuten Tag(グーテン・ターク)によく似ています。でも、いきなり「g」と「oe」が入ってます…。ドイツ語にもこのchで「g」に相当する発音はありますが、語頭にいきなりという単語はちょっと思いつきません。
日本語の「フ」とも「ハ」とも違う、喉の奥から出す(正確には上あごの奥のほうの柔らかいところで息を摩擦させて出す)ハ行音って、一応ドイツ語を履修したときに練習したとはいえ、一語の中に2回もあるとなんか疲れます…。

●こんばんは=Goedenavond(フーデンアーフォント)
これもドイツ語のGuten Abent(グーテン・アーベント)に似てます。

●さようなら=Tot ziens(トット・ツィーンス)
●ありがとう=Dank u (wel)(ダンキュウー[ヴェル]、ダンクユ[ヴェル])
●どういたしまして=Graag gedaan(フラーフ・ヘダーン)
「どういたしまして」なんか1フレーズに3つも「g」が入ってる…。

そうそう、忘れちゃいけないこのフレーズ。

●トイレはどこですか=Waar is het toilet?(ヴァール・イス・ヘット・トイレット?)
by ak2008nl | 2008-08-20 00:04 | 予備知識 | Comments(0)